夜咲く花

カラスウリ

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 いつも通っている道なのに、この花に気づかずに歩いていました。

 私が、カラスウリを知ったのは、もうずいぶん昔のことですが、それは、朱色になったカラスウリの実の方です。赤い実がかわいいので、部屋の飾りにとってきたものです。

 花のことはしばらく知りませんでした。ふだん通っていても、昼間はその花が開いていないために、なかなかその存在を知ることができません。

 今日は、夕刻、日没前に通ったので、開き始めたカラスウリの花を見ることができました。

 5枚の花びらの周りのレース状に広がった姿は、あまりに繊細で、まさに神業です。でも、きっとこの白い大きく広がった花になったのは、夜、開くということと無関係ではないでしょう。白く、できれば広い方が媒介する昆虫をおびき寄せるのに都合がいいということなのでしょう。

 カラスウリは、雌雄異株で、雄花の花粉を雌花の子房につけてくれる媒介者がいなくては、種ができないのですが、調べたところ、この長い管状の底の方に雄花の蜜があるということなので、管を長くして蜜が吸えるような昆虫が必要だということになります。それが夜行性のガの一種だろうと考えられています。

 この写真の花は、真ん中が黄色くなっているので、おそらく雄花だと思います。薄暗い中で、蚊の襲撃と戦いながら、雌花を見つけようとしましたが、近くの株には見つかりませんでした。