18日から21日まで主に三陸海岸を旅しました。
昨年の春には、気仙沼、秋には、石巻、今回は、気仙沼から岩手県を海岸沿いに北上し、八戸まで行きました。
東北の震災、津波の被害が最も大きかったところを見て回る旅です。もちろん、景観のよい所を観光することも忘れませんでしたが、見ようとしなくても津波の跡は、集落を破壊し、街を壊滅させているので目に入ります。
気仙沼は、昨年も行ったので、基本的にはまだまだ遊覧船の出る港付近は、空き地が多く、屋台村でのお店もまだそのままでした。
昨年の5月末は、ここには傷んだ港の建物が建っていましたが、きれいに取り壊され、今は空き地を駐車場にしていました。
(漁港は、ここから右の方へ15分ほど歩いたところにありますが、そちらへは今回行かれませんでした。)
この日は、日差しが強かったのですが、爽やかな空気に包まれ青い空にスーッと刷毛で梳いたような雲が浮かんでいました。
前回は、時間がなくて見られなかった船です。
大船渡線で気仙沼の次の駅「鹿折唐桑」(今は気仙沼から先は、電車は通っていない)のホームのすぐそばに打ち上げられたまま放置され、ニュースでは度々登場する船です。
国道45号線のすぐ脇の畑まで船が何隻も折り重なるように流されてきたそうです。
小さな船は、運ばれてもうすでにここにはありませんでしたが、この船はかなり大きいので簡単には運べなかったようです。
この船の扱いをどうするかいろいろ考えられたのでしょうが、結局解体されることになり、今は、この船の周りを白い塀が取り囲み、クレーンが一台入っていました。
次回訪ねる時にはこの光景は見られないのだと思います。
津波の被害を受けた人は、こういうものは、見たくないもの、思い出したくないものだとタクシーの運転手さんは、話していました。
震災から2年半、気仙沼も少しずつ変化をしているのでしょうが、景観上はまだまだ復興には遠いものを感じます。
この2年半ずっとここにたたずんでいたこの船に
「復興は進んでいますか。」
と、尋ねてみたいと思いました。
隣の空き地に色とりどりのコスモスの花が揺れていました。
(続く)