駅から通りへ出て、ちょうど向かい側の 「大巧寺」をのぞいてみました。
安産のお寺さんです。
紫式部がちょうど色づいていました。
白い花が数輪残っています。
本堂の前には、秋の七草に数えられる すすき、女郎花、そして吾亦紅。
うちのお墓は、ここから歩いて20分以上かかります。
小さなお墓の敷地に、金木犀の木や柘植の木が植わっているので、
行くたびに剪定をして、お隣さんに迷惑をかけないように気を配るので、
お墓掃除もたいへんです。
なんでこんなに大きくなる木を植えたのか
いつも心の中で母に文句を言っています。
みんな将来への見通しがなくて、その時しか考えないのでしょうが
これからは、家を継ぎ、家を守る子どもがいなくなるわけで、
私だけの問題ではなく、
社会的にもこれから大きな問題になってくるのだと感じています。
私の世代の友人の間では、結構同じようなことが語られます。
お墓参りが済んで、小町大路を通り、
雪ノ下近くの「宝戒寺」まで歩きました。
以前にもこの寺のことは書きましたが、
鎌倉では、珍しく天台宗の寺であり、
年中いろんな花が咲いている花の寺として有名です。
門を入ると早速その白萩が出迎えてくれます。
本堂前の白萩です。
いつもなら、本堂に上がって仏様にご対面するのですが、
時間が遅かったので、遠慮しました。
鎌倉のお寺では、こうして気軽に中に入ってということができるところは少ないです。
夕日が当たって黄色みがかった白萩です。
ピンクの萩は、咲き始めというところですが、
白萩の方は、もう満開です。
人が通ると、花弁が零れ落ちてきます。
境内には、赤いヒガンバナも咲いていますが、
このお寺は、白いヒガンバナが多く、
白萩とちょうど同じころに咲くので、
花目当てのカメラマンがやってきます。
昨日は、夕方にもかかわらず、
カメラウーマンが何人もいました。
狭い境内なのにヒガンバナのほかにも夏の名残の花が
鐘楼の前の酔芙蓉です。
朝咲いて夕方にはしぼんでしまう一日花です。
普通の芙蓉も一日花には違いありませんが、
酔芙蓉は、朝開いた時は、淡いピンク色をしているのですが
時間が経つとだんだんと色が濃くなり
夜には、赤く染まってしぼんでいくのです。
お酒を飲んで、だんだんと頬を赤らめるさまになぞらえたのでしょう。
酔芙蓉の花弁は、八重、
普通の芙蓉は、一重です。
蓮の花も一日花。
芙蓉も一日花。
一日花であるがゆえに
命のはかなさ、諸行無常を説く寺に植えてあることが多いようです。
私が酔芙蓉のことを知ったのは、
高橋 治の書いた「風の盆恋歌」という小説、
仏教の説く無常と究極の不倫、どこかに接点があるのかもしれません。
ついでにその小説で、八尾の風の盆のことも知りました。
墓参りも無事終わり、ちょっぴり鎌倉散策も楽しめました。