お彼岸の頃

 9月の記事です。

 今年の夏は、暑くてお盆はお休みしてお彼岸にお墓参りをしました。

 生きている自分を優先したのです。

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 寺に着くと日陰に咲いていたヒガンバナが1輪、美しく咲いていました。

 鎌倉のお墓参りは、ちょうどお彼岸のお中日。お墓へ行ってみると、隣近所のお墓は、もうすでにきれいに清掃され、きれいな花も飾られていました。

 夏に行っていなかったので、草が生えツルが絡み、柘植の木の枝も金木犀の枝もだいぶ伸びていたので剪定と草取りから始めることになりました。

 金木犀の花が咲き始めていたので、いい香りがあたりに漂っていました。

 横浜へ越したばかりの頃は、時間を見つけてはあちこちの仏様を拝顔するのが楽しみで始終出かけていたものですが、近頃はご無沙汰です。

 お墓参りに来ると材木座にあるカレーとベジ料理のお店「香菜軒寓」へ行くことにしています。暑い夏にカレーが食べたかったけれども自分で煮込み料理を作るのは気が進まずずっとカレーが食べたくて仕方がなかったのです。

 

 この日も帰りに寄りました。休日で駅前はすごい混みようだったのでわざわざ時間を外していきました。

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 いつもはマメか野菜のカレーなんですが、ちょっとおごってエビが入ったカレーを頼みました。エビは、養殖をしたものではなく、ニューギニアの海でちゃんと漁師が捕ったもの。単価は高いけれども旨みが違うのです。このお店で唯一の動物性たんぱく質、それがなんと5匹も入っていました。今日の野菜はナス。これも藤沢の農家から届いた無農薬の野菜です。ご飯は玄米か、五穀米かは選べますが、私はもちろん玄米、ちゃんと小豆も入っているので赤い色をしています。塩麹で和えた小松菜など、付け合わせもみんな素性が確かなものばかりです。久しぶりに美味しいものを食べられてほっと心が安らぎました。

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 デザートも頼みました。白ゴマのブラマンジェにマンゴーがのったものです。手作りですから本当に美味しいです。(ちょっと食べてから写したので見苦しくなりました。)

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 このお店に藤沢の農家「柿右衛門」さんから野菜が届きます。その中に「マコモ」がありました。とても珍しいので買ってきました。

 冬に東北へ渡り鳥を見に行くと、オオハクチョウが白い首を水の中に突っ込んで食べていたのがこのマコモの地下茎です。これは地上に生えている茎です。うちへ持ち帰って天ぷらときんぴらにして食べました。ハクチョウの大好物をまさか私が食べることになろうとは思いませんでしたが、特に匂いや味に個性があるものではなくシャキシャキした食感とどんな料理にもなじみやすいところがいいような気がしました。栄養価も高そうです。

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 鎌倉の道には、あちこちにヒガンバナが咲いています。赤もあれば白もあります。

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 材木座から裏道を歩いて行くと、大巧寺(だいぎょうじ)があります。今でこそ、バス通りの方が表だと思われていますが、昔は一見裏手に見えるこの道が小町大路と呼ばれ、本堂はこちらを向いています。材木座からの物資が運ばれるメインストリートだったからだと思われます。

 この境内を抜けるのが駅への近道なのでなんの花が咲いているかなと思いながら入って行きました。

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 まず、芙蓉。白い花と赤い花が同居しているので、これは酔芙蓉だと思います。朝は白い花が咲き、時間が経つにつれお酒に酔って頬を赤らめるかのようにピンクから赤に変わるという花です。

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 白いホトトギス

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 赤いホトトギス。これも紅白そろっていました。

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 コムラサキだと思います。残念ながら白はありませんでした。

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 その代わり、白い玉すだれ。

 よく手入れされた花を愛でながら境内を通り抜けしていく人をよく見かけます。

 ヒガンバナホトトギスも芙蓉も赤と白がそろってちょっとめでたい一日でした。