初秋の信州海野宿

 9月27日から29日までまたお誘いがあったので信州へ行ってきました。

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 運悪く秋の長雨にたたれ3泊したうち2日は雨で、1日だけきれいに晴れた日がありました。赤いコスモスが青空にくっきり映えました。

 昨年の9月は「イワインチン」と「オヤマリンドウ」がちょうど見ごろだというので湯の丸高原へハイキングに行ったのですが、その時に見つけた「海野宿」が気になっていたので、そこへ行ってきました。

 もう一つ去年からの懸案がありまして、東御市にあるという「そば小屋つちや」さんを探してそばを食べることにしていました。私たちにとってはこちらの方がメインだったかもしれません。何せ食いしん坊ですから。

 そのそば屋さんは、住宅街の中にあってわかりにくいので誰かに聞いた方がいいとアドバイスされていたので、しなの鉄道の田中駅の観光案内所まで行って聞いてみました。市内の飲食店の地図を渡してくれて、やはり近くに行ったら誰かに聞いた方がいいと言われましたので、ちょうど配達していた郵便やさんに聞いてみました。郵便の配達をしている方はやはりよくご存じで丁寧に教えてくれました。地方へ行くと、本当に旅人には優しく接してくださる方が多く、そのことだけで行った場所の印象がぐっと上がります。

 近くに大きなスーパーの駐車場もあったので、とりあえずそこへ車を停めてゆっくりまわりを見渡しながら探してみると、さっき車で通ったはずの道に1本旗が立っていることに気付きました。ありました。建物の裏側しか見えないので、その旗が風で翻っていただけでそこが蕎麦屋さんだということに気付けない仕掛けになっていたのです。

 開店の11時半に到着。

 そのお店は、4人が座れるテーブルが二つと4人座れるカウンターのみ。しかもそばは無くなり次第おしまいというところです。店の暖簾をくぐるなり「今日は予約が入っていないから大丈夫だけれど、今度来るときは、電話をしてから来た方がいいよ。」との店主のお言葉。とにかく食べられることになりほっと胸をなでおろしました。時間が遅かったり、予約した人が多かったりすると来ても食べられないというスリリングな蕎麦屋さんです。

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 店主が一人なので、一人で賄えるだけということで、それ以上何かわけはなさそうです。そばは、せいろ、ざる、かもそばの三種類、それにクルミとかもとか別注文のものがいくつかありましたが、種類も少ないです。7月に上田で食べたクルミだれのおそばが美味しかったので、もちろんクルミを注文しました。うわさ通り、小さなすり鉢とすりこぎが出され、クルミを自分で擦るように言われました。その間にそばの準備をするとのことです。

 クルミが擦れた頃、砂糖を少々と風味づけにお酒を少し入れてくれました。あとは、そばつゆで自分の好みで割って作ります。このクルミ、今年のはまだ干してあって使えないので去年のだけどいいかと言われましたが、もちろん構わないといいましたが、手作り感満載です。

 ついでにいうと、東御市(とうみし)はクルミの生産が日本一。道の駅の名前は「雷電くるみの里」といいます。(雷電というのは、力士の名前)だからクルミがよく使われているのだと納得しました。

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 これで出来上がりです。そばは、普通盛り、中盛り、大盛りとあるのですが、うちのは多めだけど普通で大丈夫かと一応聞かれましたが、出てきたのを見て驚きました。たぶん首都圏で食べるせいろの3枚分くらいの量です。

 あとから来たビジネスマンらしき男性もせいろ普通盛りでしたので、男性でも十分な量なのです。私は、自称大食いですからもちろん食べられましたが、結構いっぱいいっぱいでした。大丈夫かといいうのは、多いけれど全部食べられるかということだと後からわかりました。おまけにゴボウのかき揚げは、サービス。

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 最後に蕎麦湯でこしらえた寒天がデザートで出てきました。注文していないのにと思いましたが、セットで注文してくれた人にはつけてくれるのだそうです。初めての体験でしたので、なんだかすごく嬉しくて仕方がありませんでした。

 もちろん、蕎麦湯も出てきます。

 これでおしまいですが、値段を聞いてびっくりです。せいろは普通盛り1枚で750円、クルミが150円、合わせて900円でした。

 ここのそば粉は、地のそば粉を使っていて、二八そばですかと聞いたら、87%だとのこと。九割そばというそうです。

 そば好きにはたまらないお蕎麦屋さんです。

そばのことで長くなってしまったので、「海野宿」は次回ということで失礼します。