「千年の一滴  だし しょうゆ」 

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 先週の日曜日に久しぶりに映画館へ出かけました。

 1日ということもあり、映画館は結構混んでいて、

ドキュメンタリーながらこの映画も結構観客は入っていました。

 和食がユネスコの世界無形文化遺産になった

ということもあるのでしょうが、

今注目を浴びている映画です。

 ヨーロッパでは、好評で6回もアンコール放送されたのだそうです。

 うちはテレビがないので、この元になった映像が昨年NHK

放送されたということを知りませんでした。

 今回の映画は、フランス人プロデューサーなど海外のスタッフが

それをもとに手がけた国際版の映画だそうです。

 自分も例外ではありませんが、当の日本の食卓にどれだけ和食が

上っているかといえば、危うい感じがします。

 ちゃんと出汁を取り、ちゃんと醸造した調味料を使っている

家庭がどれくらいあるか疑問です。

 この映画の前半は、出汁に欠かせない昆布、かつお節、

干しシイタケを取り上げ、

後半は、味噌、酒、みりんなどの素になる麹かびに迫ります。

 麹を使った調味料として、京都の醤油メーカーを取り上げ、

発酵過程を季節を追って丁寧に撮影しています。

 昆布の北海道から、かつお節の鹿児島まで、縦に長い

日本の四季をみるだけでも、ため息が出るように美しいです。

 さらに、肉食ができなかった歴史との関連で、

独自の「うまみ」を長い時間かけて

生み出してきた日本人の知恵も明らかにしてくれています。

 この映画を見たら、昆布、かつお、シイタケで出汁を取り

添加物のない天然の調味料を使って味をつけたいなと

きっと思うに違いないと思います。

 「うまみ」は、口に入れると砂糖などのように習慣性になり、

依存症となるものの一つだそうです。

 商品として売られているものは、この依存症を刺激し

また食べたいという欲求を出させる必要があるわけです。

 脳にドーパミンを出させ、快感を得させる麻薬と

似ているのだそうです。

 赤ちゃんが初めて離乳食を口にするシーンがありましたが、

離乳食は、この天然の「うまみ」であってほしいと 

その映像を見ていて特に強く感じました。

 *横浜では、Jack & Bettyで今週末まで上映予定だそうですが、好評だったら、延長もあるとか。