11月29日まで、子ども植物園では、菊花展が開かれています。
今、見ごろを迎えた厚物とか管物とか言われる大輪の菊です。
このほかにも、小菊の懸崖仕立てや盆栽仕立てなどもあります。
これらの菊は、二つの菊の同好会の方が育成されたもので、
これらとは別に、この植物園では、江戸期に流行した菖蒲、サクラソウ、
ヤマアジサイ、変化朝顔など 古典的な植物を残そうと熱心に取り組んでいて、
今回もその流れの古典菊といわれる菊を育てたものが展示されていました。
江戸菊、伊勢菊、丁子菊などがその古典菊といわれるものです。
これは、「江戸菊」。
やはり花は、奇数をよしとするので、これは9輪の花がついています。
中心の部分と外側が白く裏返っているような咲き方です。
上の写真の菊は、「嵯峨菊」といいます。
ちょうど、私が行った時に職員の方が説明をしてくださったので
印象に残った菊です。
京都の大覚寺(嵯峨御所)に伝わる嵯峨天皇ゆかりの菊だそうです。
特徴の一つ目は、高貴なお方が殿上から眺められるよう、
丈は約2mにしています。
二つ目は、下葉の枯れた葉を冬、紅葉した葉を秋、青葉の葉を夏、
花を春に見立て、1本の菊の姿の中に四季を表わしているのだそうです。
三つ目は、奇数が縁起がよいとされたようで、
先端に3輪、中段が5輪、下手が7輪に仕立てられ、
「天・地・人」を表わしているそうです。
さらに花弁は、適度に向こう側が透けて見えるのがいいのだとか。
全部で15鉢ありましたが、縦に3本がまるで1本のように
並べるのがいいのだそうです。
嵯峨菊の話を聞いて、菊1本にもいろんな意味があることや
この菊を育てる苦労の一端を知り
菊を見る目がちょっと変わった気がしました。
実家の庭にも小さな小菊が咲いていたので、
一枝持ち帰り赤い水引といっしょに活けました。
夜、韓国旅行のお土産にもらった菊茶を入れました。
ほんのり菊の香りがして、ハーブティーと同じように
心が穏やかになる気がしました。
食べて、見て、飲んで 菊三昧の日でした。