この話も昨年の秋のこと。
シネマリンの映画を観るためにはバスに乗って往復する。
映画を観終わるとまたバスに乗って帰るのだが、9月のある日映画を観終わった私
は、バス停近くの「ビオッツア」という店の前でランチ弁当を販売しているところを目
にしてしまった。しまったというのにはわけがある。
以前からスペインかイタリアのバールのような雰囲気のお店でどんな料理が食べられ
るのか興味はあったものの、アルコールを口にしない私には一人で入る勇気もなく敷居
が高かったからだ。
早速近寄ってみると、弁当は2種類あって、値段も800円。透明なプラスチックの
ふたを通して中が見え、味付けなどの情報も聞いて選ぶことができるのだ。
渡りに舟、すぐにそのランチ弁当を買って帰ったのは言うまでもない。
ある日のランチ弁当は、魚介類の入ったイカスミ炊き込みご飯。
添え物は、鶏のから揚げとパプリカとブロッコリー。
魚介から出ているスープをしっかりと吸っていて、とっても美味しかった。
またある日のランチ弁当は、豚の三枚肉とジャガイモの煮込み、レンズマメと野菜の
煮込みとパンのセット。ボリュウミーでお腹がいっぱいになる。
またある日のランチ弁当は、肉団子とうずら豆のトマト煮込みとジャガイモとキュウ
リとピーマンとリンゴの入ったサラダにフランスパン。何回か食べると豆が多く使
われているのがわかってきた。
このお弁当のおかげで、バスク料理に近づけたのはコロナ禍のちょっとした幸せだっ
たかなと思っている。