ビオッツアのバスク料理

 イカスミご飯

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 これも秋のこと。

 コロナ禍でなかなか会えずにいた友人が11月初めに横浜へ遊びに来ることになってい

た。昼は定番の中華街でと思っていたが、その頃の私はバスク料理に恋い焦がれ状 

態だったので、友人の承諾を得てこのバスク料理のレストランでランチをにすることに

したのだ。

 

 会食のひと月ほど前に、下見をと思ってお店で1人ランチをした。

 サラダとメインとデザートとコーヒーで1700円(税込み1870円)。この日の

メインにはイカスミご飯を選んだ。

 その日はお客さんも少なかったので、カウンターに座ってオーナーシェフと店の名前

の由来や、バスク料理の調味料の特徴などいろいろ聞くことができた。

 

 「ビオッツア」というのは、バスクの方の言葉で「心」という意味があるそうだ。心

を籠めて料理をするという意味なのだろう。

 バスクは、イベリア半島の北の付け根にあたるとことろで背後にピレネー山脈、北に

ビスケー湾、フランスと国境を接している。南の方のカタロニアと同じようにバスク

族の独自の言葉や文化を持っている。

 

 

 地域性からも海の幸、山の幸と食材も豊富だという。特にサン・セバスチャンは、リ

ゾートの街でミシュランの星を持った世界的に有名なレストランがたくさんあることで

も知られている。フランスのリヨンと似た感じかもしれない。(行ったことはないが、

横浜のリヨンのレストランは知っている)

 

 シェフにピメントといわれる唐辛子がバスクの料理にはよく使われているという情報

も教えてもらえた。唐辛子は世界中いろんな種類のものがあって興味深い。

 因みにシェフは、バスクの観光の中心都市、サン・セバスチャンで修行をしてきたそ

うだ。

 

 そして、11月初め。友人が来る頃にフェイスブックワタリガニのパエジャ」

上がっていたので、勝手に一人盛り上がってランチメニューははこれに決めた。(予約

が必要なので)

 

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 はじめに飲み物を注文する。アルコール類は二人ともやめて、ぶどうジュースを頼

む。次に出てくるのは、ピンチョス」。テーブルチャージのようだ。日本でいえばお

通しに近いかも。

 この日のピンチョスは、スペインオムレツ、オリーブとピクルスとアンチョビ、パン

の上に白身魚のテリーヌマヨネーズ添え? だいぶ前のことで詳しいことは忘れてしま

った。

 ピンチョスは、バスクへ行けばお店ごとにいろんな工夫がされていてこれだけでも食

べに行きたいと思わせる。

 

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 メインは、その「パエジャ」、普段パエリアと呼ばれているもののようだが、中に入

れるものや鍋の違いでいろんな呼び方があるそうだ。これは、ワタリガニと野菜を入れ

込んだもので、カニのエキスがしみ込んだお米を楽しむ料理。カニの足や胴体を手に取

ってしゃぶりつくので、上品には食べられない。上に乗っているのは、お飾り。

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 2つ目の料理は、白インゲン豆と自家製のチョリソーの煮込み(名前は?)。これも

私の好みで決めた。豆の煮込みは本当にとろっとしていてソーセージからコクの

あるスープが出ていて、見た目よりずっと美味しい。

 

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 最後は、デザート。定番は、バスクチーズケーキ。濃厚なチーズを使っているのでこ

れだけでもずっしりとくる。

 近頃は、バスキーと呼ばれコンビニでも置いてある人気デザートのようだが、ここの

はもちろん店で焼いた手作りだ。本当はこの倍の大きさだが、半分にしてもらった。

 

 

 バスク料理のお店は横浜では、ここだけ。

 今は、4人用のイス席が3卓とカウンター席のみ、検温もアルコール消毒もしてコロ

ナ対策は万全のお店である。

 コロナ禍で人と食事ができない中、降って湧いたようなバスクレストランで量が多く

て一人では食べられないパエジャを友人と一緒に食べられて、本当によかった。

 コロナ禍での小さな幸せその2である。