初夏の浜中町の旅 その2

1日目、うちを4時半に出発。横浜はまだ梅雨の最中、朝から雨。雨のことにばかり気になって、肝心の日よけの帽子を忘れてしまったことに途中で気づく。横浜で東海道線に乗り換え、時間的には余裕で東京駅に到着。

 

列車は、密にならないように3人席の端に席を取ったが、新幹線の中では、3人席には結局私一人だった。雨も上がり、出足は上々。ところが青函トンネルの海底部分を無事に抜けもう少しでトンネル終了というところで信号トラブル。接続時間もあまりないのに大丈夫かと心配になるが、10分くらいでトラブルが解消し、無事「新函館北斗駅」に到着。青函トンネルを通ったのは、初めてでなんだかドキドキした。

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次は、南千歳まで在来特急「北斗」に乗った。前もって調べておいた南千歳のホームで売っているというお弁当を買ってみた。3つ残っていた内一番人気だという「しおざい弁当」だ。左から鮭の燻製寿し、間に挟まれているのは、つぶ貝のから揚げ、真ん中が塩鮭の焼き物といくら、右がホッキガイの炊き込みご飯の上にホッキガイと豪華版。値段も1350円。釧路では買っている暇がなかったので、これが夕飯も兼ねていた。

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 南千歳からは在来特急「おおぞら」で釧路へ向かう。北海道の在来特急の形は、みんなこんな感じで、先頭の列車名は、電光を使って表わされている。タンチョウが翼を広げたり、つぼめたり、ちょとした動きが入っている。因みに北斗は、北斗七星の星が七つ表わされていた。線路の脇には白樺の木が植えられていて北海道へ来たのだなと一人悦に入る。

 

途中、苫小牧と帯広に停車。苫小牧は、製紙工場がある町、帯広はこの辺りの中心の街やはり駅前には、銀行やホテルなどの建物も多い。特急なのであちこちは停まらないが、大きな街以外は山や森、それに広々とした畑が広がっている。湿原近くの小さな川に「タンチョウ」の姿を2回ほど見た。

 

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在来線の列車の座席にチケットを挟み込むところがあるのも北海道ならでは。ほかの列車ではまだ見たことがなく、珍しいと思った。けれど、ここに挟んで忘れて下りる人がいるらしく、車内放送でチケットをお忘れなくとの注意が必ずある。それと、下りる方は、時間がわずかしかないので、下りる用意をしてドアのところで待っているようにとのご注意も必ずある。本当にすぐ発車するのでびっくりだ。

 

辺りは薄暗くなり、もうすぐ釧路というところで何かにぶつかったような音がして、列車は急停車。車内放送が入り、線路に侵入したエゾシカとぶつかったので、点検しているとのこと。釧路での乗り換え時間は、15分ほどしかない。あわてて通りかかった車掌さんに「花咲線には接続大丈夫ですか?」と思わず聞いてしまった。「大丈夫ですよ。」との返事でほっとした。ダメだったら、釧路で下車してホテルを探さないとならないのだから。

 

後から思えば、運転手さんがずっと警笛音を鳴らしていたのは、エゾシカに「そこどいて、危ないよ。」の合図だったのだなとわかった。敢えて窓の外は見ないようにしたが、朝夕は特に多いらしく乗務員も慌てたりせず、粛々と点検整備をしている感じがした。

 

釧路では、根室行きの普通電車が待っていてくれたようで、無事乗り継ぎができた。たった1両の電車に高校生がいっぱい乗っていて、お菓子やおにぎりなど盛んに食べては、大きな声でしゃべっている。都会ではとても考えられない光景だ。

 

辺りは真っ暗になり、周りのようすはよくわからない。午後8時40分ごろようやく私のゴール駅「浜中駅」に到着。2度の列車トラブルも無事乗り越え、うちを出てから16時間。民宿のお迎えの車も来てくれていたので、9時ごろ宿に到着。

北海道はやっぱりひろ~い。

(つづく)