長野県小川村 その1

 5月の22日から2泊3日で長野県小川村へ行ってきました。

 たぶん小川村がどこにあるのかご存じない方が多いと思いますが

私も計画を知らされるまではどのへんかも知りませんでした。

 長野市からバスで約1時間ほど西の山間部へ入ったところにあります。

 

 上田に行った時もあっという間でしたが、長野も同じで、旅情を感じている暇もなく

到着です。新幹線の旅はあっけない。それでも千曲川に沿った河岸にニセアカシアの白

い花房が風に揺れているのがなぜか心に残りました。これからの旅への前奏曲を奏でて

くれているような気がしたのです。

 

  長野市は、善光寺の御開帳で大賑わい。天気も良かったのでお参りしてからとも思

いましたが、駅のバス停に並ぶ人の数も多く、案内所でも

「今日はやめた方がいいですよ!」 

 とのアドバイスがあり、この日はやめました。

 (土曜、日曜は、参道に向かう通りの左右でイベントが開かれているらしく、

御開帳に輪をかけて人が多かったらしいです。)

 

 

 長野駅前から小川村へ向かうバスに乗り小一時間、千曲川の支流に沿って大町市に抜

ける道を走ります。田植えが終わったばかりの水田、その周りを彩る紫のアヤメやショ

ウブの花、新しい緑を宿した木々など、のんびりとした山里が続きます。長野の市街地

を過ぎるとほとんど乗り降りもなく、途中からは私たち3人の専用車になりました。

ケナシヤブテマリ

 

 

 お昼の時間に近かったので、運転手さんにおやきで有名な「小川の荘」に近いバス停

を聞いてそこで下車しました。

 小さな道案内に従い何にもない山道をひたすら登っていきます。沢のそばに咲いてい

た白い花が目に飛び込んできました。葉っぱは薄くてしわしわが寄っていてヤマアジ

サイでもなければ、イワガラミでもありません。

 

 ブログに載せようと思って調べてみました。オオカメノキかとも思いましたが、結局

は、「ケナシヤブデマリ」だと同定しました。

 装飾花が本当は5枚あるはずなのに一番内側にある花弁が小さくて隠れているらしく

4枚しかないように見えるのです。まるで白い蝶が羽を広げてとまっているように見え

ます。

小川の荘のおやき

 「あのたけのこは、ハチク。」「あのタラの芽はまだ食べられる。」などと言いなが

ら登ること30分。ようやく小川の荘おやき村に到着しました。

 ここのおやきは生産量が日本一だそうです。今は冷凍したのをネットで買うこともで

きるので、何もこんな不便なところまでやってくる必要はないのでしょうが、ここで焼

いたのを食べられるというのは特別な気がします。

 来る人を見ていると、車やオートバイを利用する人ばかりで、バスで来て山道をてく

てく登ってくる人はいません。だからこそ、私たちにとってはやはり特別なのです。

 

 目の前で具を包んで囲炉裏の上の鉄板で焼いたのがいただけます。私は、「行者ニン

ニク」というのを注文しました。行者ニンニクは、春の山菜ですので、今の季節しか食

べられないからです。蒸したのを食べるのもありますが、ここのは焼くので皮はパリッ

としています。中は、他の野菜と混ぜてあったような気がしますが、行者ニンニクが入

っているので帰りの山道を歩く元気をもらえたような気がしました。

 

 (つづく)