晩秋の鎌倉ー一条恵観山荘

 朝から曇ったうすら寒い日でしたが、これから先予定が取れそうもないので以前から

一度訪ねようと思っていた「一条恵観(いちじょうえかん)山荘」へ行ってきました。

 

 今日の鎌倉は、改札口に人だかりができているという状態ではなくてほっとしまし

た。それでも、紅葉の時期ですからそこそこの人はいますが。

 

 ここのところ朝の食事を抜いているので、まず腹ごしらえ。

 数年ぶりで小町通の「なると屋典座」へ行ってみました。

 11時半から開店でしたので、お店の前で10分ほど待ちました。

 数年前までは、鎌倉へ来るとこちらへよく来ていました。肉や魚ではなく、野菜を食

材にした料理が並ぶのが私の好みに合っていたからです。

 

 今日は、12月1日で12月の定食一日目のメニューです。

 左奥から ★梅干しと大根の漬物 

      ★根菜のあんかけ(ゆでた大根とカブの上に味の付いたシイタケ                    

       ゆでたニンジンと菜っ葉、それにゆずをのせ、餡をかけたもの)

      ★春菊としめじのかき揚

      ★ごぼうご飯

      ★干し柿の天ぷらに赤だしの味噌汁 

      ★ごま豆腐 

 

 どれも薄味。例えば、ご飯の上のごぼうも味つけはなし、かき揚げは塩が少しふりか

けられているだけ、大根、かぶ、小松菜、にんじんにも味付けはなしです。野菜の旨味

を味わうようにということでしょう。その代わり、ごま豆腐にはすりおろしたわさび、

干し柿の赤だし味噌汁には練りがらしが載せてあり、ほのかな香りづけが何とも言えま

せん。

 定食は、1760円。

 

 オーナーのヨウスケさんの健在な姿も見られて懐かしい気持ちになりました。

 以前、ここで開かれた料理教室に参加したことがあるせいでしょうか。

 

 歩いても30分の距離ですが、寒かったので駅前からバスに乗り、浄明寺で下車。

 進行方向に2分ほど歩くと右手に「一条恵観山荘」があります。

 

 入口の左手の手水鉢にはキクがいっぱいです。

 この一条恵観山荘は、私が神奈川に越してから嬉しくて始終鎌倉へ来ていたころには

なかったような気がします。

 江戸初期の公卿・後陽成天皇の第九皇子であった一条恵観公の別荘として京都西賀茂

の広大な敷地に建てられていたものだそうです。

 いつだれが鎌倉へ移築したのかはわかりませんが、枯山水や飛び石とともに移され、

国指定重要文化財となっています。

 

 各シーズン指定された日のみ建造物内の案内がありますが、もうすでにいっぱいでし

た。これは、その一つ茶所「時雨」の丸窓。

 

 モミジの落ち葉が水に浮き、そろそろと流れていきます。

 モミジのモザイク模様。

 庭の右側には、滑川が流れていて川の向こうは山になっているので、天気が良い朝に

はいろんな小鳥のさえずりも聞こえてくるそんな設えの庭です。

 

 ホトトギスの花が秋の最後を彩っています。

 今年はもうすでに椿があちこちで見られますが、ここでは白の侘助が冬?の到来を知らせていました。

 今は、お寺や神社に花を浮かべた手水鉢がネットにもたくさん上がっていますが、

あまりにも時流に乗りすぎていてどうかなと思っています。玄関のは絢爛豪華ですが、

これくらいの控えめな手水鉢ならいいのになと思います。

 

 京都の敷地は広かったようですが、ここはこじんまりと納められていて、私の想像が

拡がりすぎていたせいか、正直なところちょっとがっかりでした。

 

 帰りは、バスに乗らず歩いて行ったので、途中右手にあった杉本寺のモミジも

 左手の滑川沿いのモミジも見ることができました。

 今年の神奈川県は台風の直撃がなかったせいか、鎌倉もことのほか紅葉、特にモミジ

の紅葉は素晴らしいです。