鎌倉 香菜軒寓

昨日鎌倉へ墓参りに出かけた。

暖かくて歩いているうちに汗をかいて上着を脱ぐようだった。

お正月でもないのに駅を降りると結構な観光客がいることに驚く。

 

駅から歩いて材木座の方へ15分のところに「香菜軒寓」がある。ご主人の方は、都内で

元々カレーのお店をやっていた方なので、カレーを。お連れ合いは、白砂糖を使わない

など調味料も吟味され、有機野菜を使った定食を作られる。

 

カレーのメニューにエビカレー、夏場だけのカツオを使ったカレーがあるので、ここ

は、95パーセントがべジ食材、そして当初はたった3席のレストランというキャッチフ

レーズで始まった珍しい食事処だ。外人さんは、どこで情報を仕入れるのかベジタリア

ンやビーガン対応可能なこの店をよく訪れる。

 

3席ではあまりにも少ない。そこでご主人が庭に廃材を使って小さな小屋を作ったの

で、今では3グループが食事できるようになった。私はいつもお墓参りの途中に寄るの

で一人でいくのだが、空いていれば嫌な顔をしないで快く食べさせてくれる。ご主人も

お連れ合いもすごく穏やかでさわやかな方だ。2016年からなのでもう7年通っているの

で、顔も名前も覚えてくれてまるで親しい友人に会うような気がする。

昨日は、「だけ定」(ベジだけ定食の略)の特別バージョン。おでん定食を注文。

 おでんの中身は、三浦大根、こんにゃく、さといも、巾着の中身はヨモギ餅、小松

菜、昆布。小皿にのっているのは、手作りのゆず味噌と柚子胡椒。野菜も毎週ここに届

けられる有機野菜を使っている。滋味深い昆布だしで煮込んだおでんを食べただけで心

が安らぐ。赤キャベツの酢の物、小松菜のナムル、糠漬けの豆腐、野菜、あずきが入っ

た玄米のおにぎり2個を食べるとお腹はいっぱいだ。

 

御主人が作ったパン、マフィン、お連れ合いが作ったゆずぽんを持ち帰る。

本当はお墓参りなのだが、ここへ寄ってお腹も心も満たす楽しみがあるからしげしげ通

っているのかもしれない。

 

歩いていてふっと上を見ると、枇杷の花が白い花を咲かせていた。もう花が咲いている

のかとちょっと驚く。小さなハチが花から花へ忙しく動き回る。

滑川の橋を渡っていると十数羽のムクドリが木の枝から河原へ降りて来て盛んに水を浴

びてはまた枝へと移る。

昨日は、穏やかに晴れた年末だった。年末の仕事が一つ終わった。