東京ジャーミイ見学

 先週土曜日、渋谷区の代々木上原から5分くらいのところにある「東京ジャーミイ

へ出かけました。

 コロナ禍になる前に、「東京ジャーミイ」のことをテレビで見て、一緒に行かないか

と友人に誘われていたけれども、機会を逸していました。コロナもほぼ収まっている

し、懸案になっていた「東京ジャーミイ」へ今度は私から誘ってみました。

 

 代々木上原は、私の祖父母がこの辺りに住んでいたので、亡くなってしまった今でも

何となく懐かしい場所の一つなんです。渋谷で待ち合わせてランチを食べてから向かい

ました。

 

 見学はいつでも原則可能なんですが、初めての場合は、土曜、日曜、祝日の午後2時

半から日本語ガイドによる案内があるというのでそれに合わせて午後2時過ぎに行きま

した。

 

 この日は、見学者も多くて、おそらく50人近くいたと思います。1階の玄関を入っ

たところで、時間までお茶やナツメヤシのドライのお菓子をいただきながら待っていま

した。礼拝堂に入るときには、スカーフ等で髪を隠して入ります。

 

 トルコ人のたいへん日本語が上手なガイドさんの話が30分くらいありました。

 まず、初めはチューリップの花の話から始まりました。

 チューリップは、地中海沿岸が原産地でトルコの花瓶やツボにもたくさん描かれてい

る花であることを紹介してくれました。チューリップはやがてオランダへ渡り、人間の

手で改良を重ね、本来は丈も短く花もシンプルでかわいいものが、現在私たちが目にす

るような大きくカラフルな花に変わっていったのだそうです。

 ヨーロッパでは チューリップは大変人気があり投機の対象としてえらく高く売買さ

れたようです。

 

 イスラムでは、キリスト教や仏教のような偶像を崇拝することはないので、このチュ

ーリップやカーネーション、バラが描かれていることが見受けられます。

 

 そのほかにも、イスラム圏の文化について数々語られましたが、記憶に残っているの

は、今使われている数字についてです。角が一つのものが1,二つのものが2,三つの

ものが3となっていると説明させてなるほどと知りました。

 

 

 1枚目の写真は、2階にある礼拝堂です。入るとドームの美しい様子が目の前に広が

ります。ちょうど午後3時の礼拝が始まったところで、信者の人はイマーム(指導者)

の祈りを聞きながら祈りをささげているのを後ろに座って見ていました。

 

 小さい子どもは親と一緒に入って座っているのですが、そのうち飽きてくるのかちょ

ろちょろ走り回ったりしますが、大人は子どもに無理強いをしないのだそうで、叱られ

たり怒られたりするようなことはありません。

 

 絨毯には、横線が模様として入っているので、その線に従って横一列に並んで座るよ

うになっています。身分の高い人も低い人も、金持ちも貧乏人も神の前では平等なので

たとえ大統領が来ても、順番に座っていくと聞いたのが新鮮でした。

 

 2階は、女性だけの場所となっています。どうして男女が分かれて座るのかと質問し

ている人がいましたが、漏れ聞いたところでは、気が散るからだと答えているのが聞こ

えました。

 礼拝堂の入口辺りから見たミナレットです。塔の上の金色のところには三日月が輝い

ています。

 

 この礼拝堂は、元々ロシアに住んでいたカザン州のトルコ人が、ロシア革命後迫害を

受け、生命の危機を逃れるために中央アジアを経由し満州へ移動、さらに韓国、日本へ

と安住の地を求めてやってきた人たちが前身のモスクを1938年に作ったそうです。

 老朽化したので、1998年から2年かけて2000年に完成。大きな骨組みは、日本の建設

会社が受け持ったようですが、内装や細かい細工それにステンドグラスなどは、本国ト

ルコから100人もの職人が日本へ来て作ったそうです。

 

 今から30年くらい前に私はツアーの旅行でしたが、トルコへ足を踏み入れたことがあ

ります。イスタンブールのブルーモスクとアヤソフィアを見学しているので、モスクの

壮大さも知っているので、ここのは小さいなと思いましたが、こんなに詳しくイスラム

のことについて話を聞いたことがなかったので、この日はとても充実した気持ちになり

ました。