スリランカの旅 その7 (ダンブッラ石窟寺院)

 ボロンナルワを見学した後、午後はダンブッラの石窟寺院を訪ねました。

 気温は高いし、疲れがたまってきているのでだんだん意欲が低下してきて見たものが

何であるかわからないものがたくさんありました。

 180mくらいある山の頂上近くの天然の洞窟には極彩色の壁画が描かれ、たくさん

の仏像が彫られています。写真の白いところが5つある石窟を結ぶ廊下になっていま

す。

 

 石窟は、古い時代から第1石窟、第2石窟・・・・と第5石窟まで続いています。

 

 

  

 第1石窟にあった涅槃仏です。長さは、14m。この石窟で最大の大きさのもので

す。疲れてくると涅槃仏がうらやましくて、知らず知らず見入ってしまいます。

 スリランカの仏様の足の裏は赤いのが特徴なんだそうですが、全身が金色に染められ

ているのに足の裏だけが赤いのはなんでだろうと思いました。しかも花火のような花模

様まで描かれています。

 

 涅槃仏の足の指に注目です。

 足の親指がそろっているのは、休息している寝姿で、親指がそろっていないのは、入

滅した仏様で涅槃仏と呼ばれているものだとガイドさんから教えられました。普通はリ

ラックスしている方がずれているのだと思いがちなので、どっちだっけ?となかなか覚

えられませんでした。

 

 この写真の仏様は、親指がずれているので涅槃に入った涅槃仏ということになりま

す。今まで寝姿の仏様は、みな涅槃仏と呼ぶのかと思っていたので、これから寝姿の仏

様を見る楽しみが一つ増えました。

    

 4枚の写真は、第2石窟から第5石窟までのいずれかの仏様です。

 第2石窟は特に広く数えきれないほどの仏様が並んでいました。

 紀元前のものもあるのに、色鮮やかなのはたびたび修復が行われてきたか

らだそうです。

 

 暗い石窟寺院の見学が終わって外へ出ると、空が青く広がり、プルメリアの白い花が

映えて見えました。

 

 ここも小高い岩山なので眺望がききます。向こうに前日に登ったシーギリア・ロック

が見えています。ダンブッラはユネスコ世界遺産、シーギリア・ロックも世界遺産

登録されているので、ガイドさんが、

世界遺産から別の世界遺産が見えるところはほかにはないよ。」

とその珍しさを強調されていたのが心に残っています。

 

 この日は、ボロンナルワとダンブッラと大きな仏教遺跡を廻りとても疲れました。

 夕飯を食べ、ティールームでお茶を飲もうとしていたら、何やらイベントが始まるの

で今は下の階へ移動してほしいと言われました。何だろうと思って移動している最中に

も電灯が消され廊下の端っこに火を灯したろうそくが置かれていきます。

 

 イベントが何だったのか日本に帰ってからようやくわかりました。「Earth Hour

2023」という地球環境と生物多様性を考えるきっかけになるように、オーストラリアか

ら始まった草の根運動の一環だったのです。

 

 日付変更線のあたりからそれぞれの国のラウンドマーク的なところを会場にしてその

国の午後8時半から午後9時半までの60分間灯りを消していくのです。スリランカ

「ヘリタンス・カンダマラホテル」では、3階の広くなったところに、油の入った小さ

なお皿が並べてありました。一人一人がろうそくを渡され、そのお皿に火をつけていき

ます。全部灯されると、60の文字が浮かび上がります。

 それからスリランカの森の動物たちが映し出されるビデオをソファに座って見るよう

に勧められました。この部分が大事だったのだなと思いました。

 

 スリランカへ来てこういうイベントが世界中で行われていることを初めて知り、その

の一端に参加できるなんて幸運だなと思います。こういう意外なことがある旅は忘れら

れないものです。

 (カメラの電池切れで写真はありません)

 (つづく)