サンティアゴ・デ・コンポステーラを歩く

  THE WAY  「星の旅人たち」

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  あらすじ:アメリカの初老の眼科医トムは、妻に先立たれてから1人息子のダニエルとの関係もギクシャクしていた。ある日、ダニエルからの伝言でしばらく旅に出るという連絡だけをもらう。仲間とゴルフをしている最中にフランスからの電話で、息子がサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼の初日に嵐に巻き込まれ、不慮の死を遂げた との連絡をもらう。

 遺体の確認を終え、息子のバックパックに火葬した灰を入れて、息子がなぜここへやってきたのかを確かめるべく、この道を歩き始める。

 見知らぬ巡礼者との関わり合い、ピレネー山脈越え、カスティーリャ平原・・・自然との厳しく美しい出会いの中で、息子の旅の代わりのつもりだったトムが、自分自身を見つめていくことになる。歩いていくうちに3人の巡礼者と知り合いとなっていく。オランダ人のヨストは、ダイエットを、カナダ人のサラは、禁煙を、アイルランド人のジャックは、作家としてのスランプから脱出を願って旅に出た。初めは、他の巡礼者と馴染めなかったトムも、その3人と歩きながら、やがて親密感を持ち息子を失った痛みが癒されていくことになる。

 監督は、エミリオ・エステヴェス、主演のトムは、実父のマーティン・シーン。横顔がよく似ているので、もしかして親子かと思っていたら、本当に親子でした。(監督ですが、道のいろんな箇所で、父親を見守るように息子役のダニエルとなって姿を現す。)

 父親の願いと息子の願いは、必ずしも同じではない。そんな親子の確執はだれにでもあることで、どう折り合いをつけていけばいいのか、それが問題でもあります。800km歩くとすんなり解決するようなら是非にでも歩くべきだとは思いますが・・・・・・・ 現代の巡礼者たちは、生ハム・ワイン・チーズ・・・時には、クレジットカードを使い、土地土地のいろんな楽しみを見つけながらドライに歩いているようですが、800kmは、あまりにも長い道のりです。歩くことが好きな私にも800kmは、難しそうです。せめて、巡礼者のシンボルになっているホタテ貝の貝殻をリュックサックにつけて歩いてみようか・・・なんて思ったりしています。