パキスタン大使館大広間
今日は、パキスタン大使館へ「パキスタンを知ろう」という講演会があったので行って来ました。場所は、港区の南麻布。地下鉄で広尾駅から有栖川の宮公園に沿って南部坂を上がった辺りにあります。たくさんの大使館がこの辺りに集中している一角です。向かいは、フィンランド大使館、右隣はアルジェリア大使館でした。
大広間で、パキスタン北部のシムシャール村をフィールドに研究をしてこられた日本大学の水島先生の講演を聴きました。
この辺りの山岳地帯で遊牧をしていたワヒ族の農牧業と生活の変遷、灌漑システム、地域開発による生活の変遷についての考察が主な内容でした。
世界で2番目に高いといわれるK2など世界屈指の高い山々が鎮座する、山が好きな人は一度は行ってみたいところです。パキスタンから中国の新疆ウイグル地区のカシュガルまでを通したカラコルムハイウエィ1200kmの整備は、辺境といわれるこの地域の生活に大きな影響を与えたということは紛れもない事実ですが、それでもなお、最後の桃源郷といわれる地域です。
イスラムの宗教対立で、今も爆弾テロの起こっている国ですが、この山間に住む人たちは、イスマイル派と呼ばれる宗派で、人柄も穏やかで、男性も女性も学校で平等に勉強し、女性でも写真を撮らせてくれるということで、イスラムといってもいろいろあるのだなと思いました。
話の中で、カラコルムハイウェイ(KKH)沿いの村では、かつての大麦、小麦、えんどう豆の主要な作物から、ジャガイモを作るようになったところが多くなっているという話でした。ジャガイモは、流通が確保できると換金作物としての価値があるということらしいです。KKHから40キロメートル離れたシムシャール村には、このごろやっと車が通れる道ができたばかりで、市場へ出すことも叶わなかったということなので、そういう意味では、伝統的な農牧業が今も営まれているとのことです。
4月から9月までは、(夕方の6時から11時まで)水力による小型の発電機が動くので、電気が使えるらしいですが、いわゆる冬場は、水が凍って使えないので、電気も使えないということです。
講演会の後は、お楽しみのランチブッフェをいただくことができました。大使館専属のシェフが作ってくれたカレーブッフェです。
チキンビリヤニ(ご飯とチキン、スパイスを一緒に炊き込んだもので、パーティには欠かせない料理です)
マトン・コルマ(ヨーグルトや生クリームを入れて、マイルドに仕上げたカレー。マトンは、パキスタン人の一番のごちそう)
チキンカレー(おなじみチキンの入ったカレー。パキスタン人に一番多く食べられている肉はチキンです。)
ダール(豆のカレー。シンプルな味で、飽きがこない。日本料理でいうと、味噌汁のような存在)
スワイヤーン(麺と砂糖、ミルク、スパイスでできたデザート。隠し味のカルダモンがポイント)
このほかに、チャパティのようなパン、食後にチャイが出ました。
どれも、カレー味でしたが、マイルドでしたので、辛いのが苦手な私でも余裕でOK.麺のデザートは初めてでしたが、甘くておいしかったです。これも言うなれば、日本ではお素麺を甘い出汁で食べるといったものです。ところ変わればいろいろな食べ方をするものだと思いながらいただきました。
今日は、ちょうど宮元 輝原作の「草原の椅子」という映画の初日で、映画の舞台となった最後の桃源郷といわれるパキスタンのフンザが映像として見られる日でした。映画の俳優の挨拶と一緒にパキスタン大使、映画の中でガイド役として出演した日本語ガイドさんも挨拶を頼まれたようで、来日していました。今、上巻しか読んでないので、下巻を読んだら、私も映画を見てこようと思っています。