スリランカの旅 その14 (ピンナラワのゾウの孤児園)

 旅の7日目、キャンディからコロンボへ行く途中、「ピンナラワのゾウの孤児園」を

訪ねました。

 ここにはジャングルで親とはぐれた子どものゾウや、失明したゾウなど90頭ばかり

が保護されています。目の前には10数頭のゾウがいましたが、特に檻があって隔てら

れているわけでもなく、自然な姿を見ることができます。

 

 なんといってもかわいいのは子ゾウです。

 餌を運ぶ車が通りました。ゾウの好物のジャックフルーツの木の葉だそうです。

 

 エサをあげる体験をすることになりました。ここから1頭のゾウが別の園地に移動

してきました。そばにゾウ使いの人がぴったりと付いていますが、かごに入ったバナナ

などの果物を一皿買ってゾウの口の中に入れてあげます。

 口の中は温かくてやわらかい。今までもエサをあげたことはあっても鼻でつかむ形だ

ったので、口の中に触れたのは初めての経験でした。みんなが二人一組で長い鼻を挟ん

で食べさせのだけれど、あっという間に食べてしまいます。

 とにかくすごい食欲で食べても食べても尽きない感じがしました。

 午前中のゾウの水浴びの時間だったので、自動車道路を渡って両側にお土産物屋さん

が並んだ路地を抜けて川へやってきました。

 すでに水浴びをして最後に太いホースで上から放水してもらったゾウたちが川から上

がってきます。たぶん、放水が水浴びの終わりの合図なんだと思います。

 

 私たちがゾウを見送った後、しばらくお土産を見ていたら、また新しいゾウたちがや

ってきました。10頭以上いたと思います。

 普段何もないとゾウは乱暴なことをしないのでしょうが、何せ力が強い動物ですから

ゾウ使いの人たちは、鉄のかぎ状のものが付いた長い棒を常に持っています。

 こうやって、90頭余りのゾウが入れ替わり立ち代わりしながら川へやってくるので

しょう。

 マレーシアでもゾウの保護施設にたくさんのバナナを買って行ったことがあります。

 スリランカだけでなく他のアジアの国々でもゾウの生息地はジャングルの開発などで

狭まってきているのではないかと思います。

 親がいなくなったゾウの孤児は、ゾウといえども気の毒です。孤児が増えないことを

祈りたいです。

 この孤児園から日本の東山動物園にアヌラという名前のゾウが送られてきています。

調べてみたら、二頭のゾウの子どもを産んですっかりお母さんになっているそうです。

 私も名古屋へ行くことがあったら、そのアヌラというゾウに会いに行きたいなと思っ

ています。

 孤児たちに幸せになってもらいたいと思いながら、川へ行くゾウ達を見送りました。

 (つづく)